役立ちNEWS解説 2010年4月26日掲載/5月7日更新       

 育児・介護休業法改正のポイント


育児・介護休業法が改正されます。施行日は、原則として平成22年6月30日ですが、下記の通り、中小企業(※)については、一定の項目について、平成24年6月30日まで適用が猶予されます。

*中小企業とは、常時100人以下の労働者を雇用する企業をいいます。事業所単位ではなく、全事業所の合計労働者数で考えます。


改正項目と施行日

項目 施行日 中小企業暫定措置
1 (1)パパ・ママ育休プラス (1歳2ヶ月までの育児休業) 平成22年6月30日 ×
 (2)父親の育休の場合は、 再度の育児休業取得が可能に ×
 (3)配偶者が専業主婦(夫)の場合でも、育児休業取得が可能に ×
2 所定外労働免除の義務化
平成24年6月30日まで適用猶予
3 子育て中の短時間勤務制度の義務化 ○ 
平成24年6月30日まで適用猶予
4 子の看護休暇制度の拡充 ×
5 介護休暇制度の新設 ○ 
平成24年6月30日まで適用猶予
6 解雇その他不利益取り扱いの禁止 ×
7 その他の項目
(1)育休再取得の要件緩和
×
  (2)育児休業申出事項の追加と申出方法の見直し ×
  (3)介護休業申出方法の見直し ×
  (4)育児休業・介護休業申出に対する事業主の通知の義務化 ×


改正項目のポイント

1 父親の育児休業の促進

(1)パパ・ママ育休プラス

父母がともに育児休業を取得する場合、育児休業取得可能期間を子が1歳2ヶ月に達するまで延長することが可能となりました。



  • 父母1人ずつが利用できる休業期間(母親の産後休業期間を含む)の上限は、現行法と同じ1年間です。
  • パパママ育休プラス制度を利用する場合は、子の1歳の誕生日よりも後の日(誕生日の翌日以降)を開始日にすることはできません。
  • 保育所に入所できない等一定の場合には1歳半まで延長可能である育児休業期間の延長制度は本制度とは別制度です。
  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

(2)父親が産後8週間以内に育休を取得した場合は、再度の休業も可能



  • 従来は、育児休業は、特別の事情が無い限り一人の子について取得が認められるのは、一回でしたが、母親の産後休業中に育児休業を取得した場合に限って、父親について特別な事情がなくても再度の育児休業の取得が認められます。
    (育休再取得が認められる特別な事情に該当する要件についても、今回の法改正により緩和されました。7−(1)を参照下さい)
  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

(3)配偶者が専業主婦(夫)であっても、休業可能となります

従来は、労使協定を締結することによって、配偶者が育児をできる状態である場合(配偶者が専業主婦(夫)である場合)には、その労働者の育児休業を取得させないことができましたが、その除外規定が廃止されました。

※すなわち、労使協定で育児休業取得申出を拒むことができるのは、次の従業員となります。

  • ①入社1 年未満の従業員
  • ②申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員
  • ③1 週間の所定労働日数が2日以下の従業員

  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

2 所定外労働免除の義務化

3歳までの子を養育する労働者の請求により所定外労働を免除

  • 3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者については、時間外労働免除の請求があった場合、1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせない義務を負います。
  • 雇用期間が1年未満の労働者など、一定の労働者のうち労使協定により対象外とされた労働者は適用除外。
  • 中小企業については「平成24年6月30日」まで適用が猶予されます。

3 子育て中の短時間勤務制度の義務化

3歳までの子を養育する労働者が、希望すれば利用できる短時間勤務制度(1日6時間)を設けることが義務化されます。

  • 雇用期間が1年未満の労働者等一定の労働者のうち労使協定により対象外とされた労働者は適用除外
  • 中小企業については「平成24年6月30日」まで適用が猶予されます。

4 子の看護休暇制度の拡充

休暇の取得可能日数が、小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日になります。

  • 子の看護休暇を有給にするか否かは、従来通り、会社の裁量に任されています。
  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

5 介護休暇制度の新設

労働者の申出により、要介護状態の対象家族が1人の場合年5日、2人以上の場合は年10日、介護休暇を取得することができます。

  • 介護休暇制度を有給にするか否かについても、会社の裁量に任されています。
  • 介護休暇制度のほか、介護休業(現行、要介護状態にある対象家族1人につき93日間)を取得することができます。
  • 中小企業については「平成24年6月30日」まで適用が猶予されます。

6 解雇その他不利益取り扱いの禁止

介護休暇、所定外労働の制限、所定外労働の短縮等の措置、時間外労働の制限、深夜業の制限を理由とする解雇、その他不利益な取り扱いも禁止となりました。

  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

7 その他の項目

(1)育休再取得の要件緩和

育児休業の再度取得が認められる特別の事情として、次のような内容が追加されました。

  • ①負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態になったとき
  • ②保育所における保育の実施を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき

(2)育休申出事項と申出方法の見直し

◆育児休業の申出事項として、パパ・ママ育休プラスにより1歳を超える子について育児休業をする場合は、本人の育児休業開始予定日が、配偶者の育児休業の初日以降である事実が追加されました。
◆改正前は、育児休業の申出は、書面によることとされていましたが、改正後は、書面のほか、事業主が適当と認める場合には、ファックス又は電子メール等によることも可能に。


(3)介護休業申出方法の見直し

(2)の育児休業申出方法と同様です。


(4)介護休業申出方法の見直し

事業主が育児休業・介護休業の申出を受けた場合には、以下の事項を通知することが義務づけられました。

 〔育児休業〕
  • ①育児休業申出を受けた旨
  • ②育児休業開始予定日及び育児休業終了予定日
  • ③育児休業申出を拒む場合には、その旨及びその理由
 〔介護休業〕
  • ①介護休業申出を受けた旨
  • ②介護休業開始予定日及び介護休業終了予定日
  • ③介護休業申出を拒む場合には、その旨及びその理由

  • 中小企業に対する暫定措置はありません。

法の実効性の確保

  • (1)苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みの創設
  • (2)勧告に従わない場合の公表制度及び勧告を求めた場合に報告をせず、または虚偽の報告をした者に対する科料の創設

▼改正法に関する条文、省令、規定例などは、下記のサイトでご覧下さい。