就業規則の重要性を理解されていますか?


 就業規則なんて、どこかの雛形を持ってきて適当に作成すればよいと、お考えの会社様もあるようです。また、作成しても、従業員に見せるべきではないと、お考えの会社様も見受けられます。しかし、それでは、時間・経営資源の大きな無駄遣いを引き起こすかもしれないというリスクを抱えているのです。


【従業員との無用なトラブルを未然に防ぐ】
労働相談において、非常に多い案件が、「解雇」「自己都合退職」「残業代未払い」「年次有給休暇」などに関することです。
これらのことは、就業規則に記載されているべきことではあるのですが、その書き方があいまいである、記載漏れがある、内容が実態と異なる、などの場合、トラブルの原因となります。また、就業規則はあっても、従業員に対して隠す(特に年休の項目など)ことが、従業員の不信感やモチベーションの低下を引き起こし、却って余計なトラブルの原因となっているのです。

近年に労使問題に関する判例からも、“就業規則への記載”が重要な要因になっていることは明らかです。
従業員との無用なトラブルから会社を守るためには、「自社の実態に従った」就業規則を作成・見直しすることにより、これらの問題を未然に防ぐ必要があります。

【従業員の問題行動を予防する】
会社内には問題を起こす従業員がいるものです。
たとえば、不注意ミスでクレームの多い従業員がいます。このまま放置していたら他の従業員から不満が出て、規律が乱れるので、この従業員には懲戒を与える必要があります。

この懲戒の根拠となるのが就業規則です。懲戒に関する規定に基づいて、始末書・減給などの処分を行えば、どこからも文句は出ません。また、他の従業員が問題を起こすことを予防することにもなります。逆に言うと、就業規則に記載にない場合において、制裁を与えることは非常に難しいのです(罪刑法定主義)。

すなわち、具体的にいえば、服務規律や懲戒に関する規定において、会社が起こしてもらっては困る問題行為を列挙にし、次にそれらに抵触した従業員に対して、どんな制裁が与えられるのかを予め明確にしておく必要があるということなのです。

【安心して働ける環境を整備し、優秀な従業員の流出を予防する】
では、就業規則を作成・見直しするだけで、従業員のモチベーションが上がるでしょうか。そんなに簡単ではありません。モチベーションを上げるには、会社の方向性が明確であること、頑張った従業員がきちんと評価されること、上司がリーダーシップを発揮すること、など会社全体が常に向上していくような仕組みが必要でしょう。

しかしながら、作成・見直しをしないことは、確実にモチベーションを下げることにはなります。
また、従業員に賃金や労働時間・休日などの労働条件を明示し、その労働条件を守ることで、従業員が会社を信頼して安心して働くようになります。例えば、年次有給休暇について、従業員に取らせないように隠し込むよりも、就業規則に明示し取得させるようにしたことで、却って従業員が勤務時間に集中して仕事をするようになり、また繁忙期には皆で協力するという風土が生まれ、業績が上がる場合が多いのです。
そして、就業規則に基づいて規律を守ることで、従業員一人一人の勝手な判断・行動を防ぐことができ、社内に結束力が生まれます。

⇒就業規則の作成・見直しは、業績向上への土台となるのです!!
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