労働者派遣法(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律」)において、どんな行為が違反となり、それについてどのような罰則があるかを知ることが大切です。ここでは、一覧にしてまとめました。
派遣法における違反とその罰則 |
罰則適用条項 |
違反の内容 |
罰則規定 |
刑罰の内容 |
第4条1項 |
適用除外業務について、労働者派遣事業を行った者 |
第59条1号 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
第5条1項 |
厚生労働大臣の許可を受けないで一般労働者派遣権事業を行った者 |
第59条2号 |
|
偽りその他不正の行為により一般労働者派遣事業の許可を受けた者 |
第59条3号 |
第5条2項、3項(第10条 |
一般労働者派遣事業の許可または許可の有効期間の更新の申請書、事業計画書などの書類に虚偽の記載をして提出した者 |
第61条1号 |
30万円以下の罰金 |
第10条2項 |
偽りその他不正の行為により一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新を受けた者 |
第59条3号 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
第11条1項 |
一般労働者派遣事業の氏名などの変更の届出をせず、または虚偽の届出をした者 |
第61条2号 |
30万円以下の罰金 |
第13条1項 |
一般労働者派遣事業の廃止の届出をせず、または虚偽の届出をした者 |
第14条2項 |
期間を定めた一般労働者派遣事業の全部または一部の停止についての厚生労働大臣の命令に違反した者 |
第59条4号 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
第15条 |
一般派遣元事業主の名義をもって、他人に一般労働者派遣事業を行わせた者 |
第59条1号 |
第16条1項 |
事業所ごとに、厚生労働大臣に届出書を提出しないで特定労働者派遣事業を行った者 |
第60条1号 |
6月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
|
特定労働者派遣事業の届出書に虚偽の記載をして提出した者 |
第61条1号 |
30万円以下の罰金 |
第16条2項 |
特定労働者派遣事業の事業計画書などの書類に虚偽の記載をして提出した者 |
第19条1項 |
特定労働者派遣事業の届出書の記載事項の変更の届出をせず、または虚偽の届出をした者 |
第61条2号 |
30万円以下の罰金 |
第20条 |
特定労働者派遣事業の廃止の届出をせず、または虚偽の届出をした者 |
第21条 |
特定労働者派遣事業の廃止または期間を定めた事業の全部または一部の停止についての厚生労働大臣の命令に違反した者 |
第59条4号 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
第22条 |
特定派遣元事業主の名義をもって、他人に特定労働者派遣権事業を行わせた者 |
第60条2号 |
6月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
第23条3項 |
海外派遣の届出をせず、または虚偽の届出をした者 |
第61条2号 |
30万円以下の罰金 |
第34条 |
労働者派遣をしようとする場合に、あらかじめ、当該派遣労働者に就業条件の明示を行わなかった者 |
第61条3号 |
第35条 |
労働者派遣をするとき、派遣労働者の氏名などを派遣先に通知しなかった者 |
第35条の2第1項 |
労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限に抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行った者 |
第36条 |
派遣元責任者を選任しなかった者 |
第37条 |
派遣元管理台帳を作成もしくは記載せず、またはそれを3年間保存しなかった者 |
第41条 |
派遣先責任者を選任しなかった者 |
第42条 |
派遣先管理台帳を作成もしくは記載せず、それを3年間保存せず、またはその記載事項(派遣元事業主の氏名および名称は除く)を派遣元事業主に通知しなかった者 |
第49条1項 |
派遣労働者に係る雇用管理の方法の改善その他当該労働者派遣事業の運営を改善するために必要な措置を講ずべき旨の厚生労働大臣の命令(改善命令)に違反した者 |
第60条3号 |
6月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
第49条2項 |
継続させることが著しく不適当であると認められる派遣就業に係る労働者派遣契約による労働者派遣を停止する旨の厚生労働大臣の命令に違反した者 |
第49条の3第2項 |
法またはこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合において、派遣労働者がその事実を厚生労働大臣に申告したことを理由として、当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをした者 |
第60条2号 |
第50条 |
必要な報告をせず、または虚偽の報告をした者 |
第61条4号 |
30万円以下の罰金 |
第51条1項 |
関係職員の立入検査に際し、立入りもしくは検査を拒み、妨げ、もしくは忌避し、または質問に対して答弁せず、もしくは虚偽の陳述をした者 |
第61条5号 |
その他 |
公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者 |
第58条 |
1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金 |
(両罰規定) |
法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人または人の義務に関して、上記の違反行為をしたときは、その法人または人に対しても、各々の罰金刑を科す。 |
第62条 |
各規定に該当する刑罰 |