役立ちNEWS解説 2008年6月20日  

 政管健保が『協会けんぽ』へ(平成20年10月)


皆様ご存知のとおり、度重なる不祥事・不始末のあげく、国民の信頼を失った社会保険庁は解体されます。


新しい体制の概要

社会保険庁は、年金と健康保険を管理していますが、まず、平成20年10月に、政府管掌健康保険に代わり、新たに全国健康保険協会(以下『協会けんぽ』という)が設立されます。政府管掌健康保険の保険者は国でしたが、これが『協会けんぽ』というという全国単位の非公務員型公法人に移行されることになります。そして、平成22年1月には、社会保険庁を廃止して「日本年金機構」という新しい公法人を設立することとなりました。 
さて、先に今年設立される『協会けんぽ』は、健康保険の保険者として、被保険者証の発行、保険給付、レセプト(診療報酬明細書)の点検、健診や保健指導等の保健事業等を実施することになっています。これら以外の健康保険への加入や保険料の納付の手続については、従来と同様、社会保険事務所が行なうこととされています。

具体的な変更点

(1)健康保険に関する手続き機関

出産育児一時金、出産手当金、傷病手当金などの給付については、従前は社会保険事務所で手続きしていたのですが、『協会けんぽ』の都道府県支部での手続きとなります。その他、任意継続等に関する申請も、『協会けんぽ』の都道府県支部で行うことになるそうですなお、これらの手続きは、協会職員の巡回や外部委託により、社会保険事務所等に窓口を設けることも検討されているそうです。
一方、資格取得や資格喪失の手続きは、従前通り社会保険事務所です。扶養の認定についても、社会保険事務所での手続きになるであろうと聞いています。ただし、健康保険証の発行自体は、『協会けんぽ』となります。また、保険料の納付についても、社会保険事務所となります。

(2)被保険者証(健康保険証)

従前から政府管掌健康保険に加入されていた方には、10月以降順次、協会名の新たな被保険者証への切替えが行われます。これらの被保険者証切替えの手続きは、一般の被保険者の方は会社(事業所)を通じて行われます。また、任意継続被保険者の方には、直接ご自宅に郵送されます。なお、被保険者証の切替えは回収から配布まで大きな手間が予想されますが、被保険者証の切替えが完了するまでは、現在お持ちの被保険者証を引き続き医療機関等で使用することが可能です。

(3)給付の内容


従来の健康保険から行なわれている療養の給付や傷病手当金等の給付は切り替えによる変更はなく、協会けんぽ設立後も同様の給付を受けることができます。

(4)保険料率

保険料率は、今後、都道府県毎で保険料率設定されることになるのですが、協会けんぽ設立時には、現在の政管健保の保険料率である8.2%(事業主・被保険者負担それぞれ4.1%)が適用されることになっています。