偽装請負とは(4)

  1.近年の偽装請負問題
  2.そもそも請負とは?
  3.偽装請負に関連する法律とは?
  4.偽装請負にはどのような分類があるか?
  5.厚生労働省、偽装請負に関するガイドラインを発表

 

 4.偽装請負にはどのような分類があるか?

東京労働局は、多発する偽装請負の類型を四つにまとめました。

 代表型
これは、請負という形式を装いながら、実態は発注者が指揮、管理するものです。
 
 形式だけ責任者型
これは、請負を指揮、管理すると違法になることを知っていながら、書類上、請負業者を責任者として違法をのがれようとするものです。
 
 使用者不明型
社員と複数の請負や派遣労働者が混在するなかで、同じ作業をしていながら、どこに雇われているのか、誰が責任者かもわからなくなってしまうパターンです。
 
 一人請負型
「一人親方」のように、一人で仕事を請け負っている形式にしてしまうものです。これは、請負業者の責任すら免れようとするもので、労災の対象ともなりません。しかし、実態が労働者であると認められれば、労災などを受ける権利があります。

最近では、上記4つのパターンに加え第5のパターンといえるものも見られます。
 出向利用型
派遣元会社(発注者)から派遣元(請負業者)へ社員を出向させる、もしくはその逆で、派遣元(請負業者)から派遣先(注文主)へ社員を出向させるという形式をとるものです。指揮命令する者とされる者とを同じ会社に所属させることで、例えば製造業における構内下請けにおいて、請負だと違法になる工場側からの指揮命令が可能になります。「松下プラズマディスプレイ」では、派遣先会社である松下から派遣元会社への出向を行い、その出向の違法性が問題とされた訳です。