役立ちNEWS解説 2011年1月27日掲載

 新規雇用に関する助成金と対象労働者について


不況による若年者・新卒者の就職困難な状況を背景にして、若年層を中心に、ハローワークを通じて人を雇い入れる場合の助成金がいろいろできました。政府は、新卒雇用の拡充を課題としているため、期限付きの助成金もあります。受給できそうなものがあれば、利用できる期間内に利用をお考え下さい!

さて、若年者等正規雇用化特別奨励金の4種類のうちのひとつ「トライアル雇用活用型」は、ハローワークにトライアル求人を提出し、ハローワークの紹介によりトライアル雇用として雇入れ、トライアル雇用終了後、引き続き同一事業所で正規雇用する場合に奨励金が受給できるというものです。

この「トライアル雇用活用型」の対象者は、今まではトライアル雇用開始日の満年齢が「25歳以上40歳未満の者」と下限年齢が設定されていましたが、平成22年12月1日以降は、満年齢が「40歳未満の者」と下限年齢が撤廃されました。

このように、対象労働者によって受給可能性のある助成金が分かれますので、平成23年1月現在の状況を表にまとめてみました。

年齢、雇用経験等による新規雇用関係助成金の適用区分

※=原則として過去1年間の雇用保険の被保険者かどうかで確認をするが、雇用保険の未適事業所で正社員として1年以上働いていたようなケースであれば、安定した職業についていたと判断される場合もあるとのこと


▼それぞれの助成金を簡単にまとめダウンロードできるリーフレットをまとめてみました。

●試行(トライアル)雇用奨励金

40 歳未満の若年者等や 45 歳以上 65 歳未満の中高年齢者等、母子家庭の母等、障害者、日雇労働者、ホームレスなどの求職者を原則 3 ヶ月間試行雇用として雇入れた事業主
【有期雇用(原則3か月)1人月4万円】



●3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金

大学等を卒業後3年以内の既卒者も対象とする新卒求人を提出し、既卒者を正規雇用する事業主に対し、支給されます。
【正規雇用から6か月経過後に100万円支給】

この助成金については、当HPのお役立ちNEWS解説(2010年10月5日)にも載せています。


●3年以内既卒者トライアル雇用奨励金

中学・高校・大学等を卒業後3年以内の既卒者を正規雇用へ向けて育成するため、有期で雇用し、その後正規雇用へ移行させる事業主に対し支給されます。
【有期雇用(原則3か月)1人月10万円、正規雇用移行から3か月後に50万円支給】

この助成金については、当HPのお役立ちNEWS解説(2010年10月5日)にも載せています。


●既卒者育成支援奨励金

長期の育成支援が必要な既卒者を有期雇用(3か月のoff-JT期間を含め原則6か月)し、育成のうえ正社員に移行させる成長分野(環境等)の中小企業の事業主に支給します。
【有期雇用(原則6か月)月10万、Off-JT期間(3か月)は各月5万を上限に実費を上乗せ、正規雇用から3か月後に50万】


●若年者等正規雇用化特別奨励金

年長フリーターや内定取消者等を対象とした求人枠を積極的に設けて正規雇用する事業主等に対して、正規雇用した場合に支給します。(平成24年3月31日までの特例措置)。
【正規雇用から6ヶ月 50万円(25万円)、1年6ヶ月 25万円(12.5万円)、2年6ヶ月 25万円(12.5万円)】( )は大企業


●特定求職者雇用開発助成金

高年齢者(60歳以上65歳未満)、障害者等の就職が特に困難な者等を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して、支給されます。
【高齢者 6ヶ月で45万円(25万円) 1年で45万円(25万円)
母子家庭の母 6ヶ月で45万円(25万円) 1年で45万円(25万円)
障害者 労働時間や障害の程度による 最大2年で240万円(100万円)など】
( )は大企業


●高年齢者雇用開発特別奨励金

雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者を雇い入れた事業主に対して、支給されます。
【一般労働者  6ヶ月で45万円(25万円) 1年で45万円(25万円)
短時間労働者 6ヶ月で30万円(15万円) 1年で30万円(15万円)】
( )は大企業


●建設業離職者雇用開発助成金

建設業に従事していた労働者を新たに雇い入れた建設業以外の事業主に対して助成金が支給されます。
【一般労働者  6ヶ月で45万円(25万円) 1年で45万円(25万円)】( )は大企業

この助成金については、当HPのお役立ちNEWS解説(2010年3月5日)にも載せています。