役立ちNEWS解説 2009年6月24日掲載        ◆この記事は6ページあります

 中小企業緊急雇用安定助成金:その5


中小企業緊急雇用安定助成金・雇用調整助成金が、さらに拡充されました!

今回の雇用危機においては、休業による雇用調整が多くの企業において実施されていますが、先月末の厚生労働省の発表によれば、平成21年4月の雇用調整助成金等休業等実施計画届提出事業所数は全国で61,349事業所、2,534,853人にも上っており、4月時点においては未だ減少の兆しは見られません。

平成21年度第1次補正予算の成立を受け、雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の一層の拡充が行われることとなりました。H21年6月8日から適用となります。

(1)助成対象となる教育訓練の要件緩和と訓練費の引き上げ


事業所内における教育訓練については、全1日の教育訓練のみが助成の対象でしたが、半日単位の実施も可能となりました。ただし、訓練費は半額となるそうです。また、大企業対象の雇用調整助成金の訓練費が1,200円から4,000円に引き上げられました。

(2)在籍出向者の休業等を助成対象として追加


これまで助成対象外であった在籍出向者(出向元で雇用保険被保険者となっている者)による出向先における休業等について、出向元との休業等協定に基づき実施された場合に、助成対象とされることになりました。

なお、例えば、出向先で賃金を負担している在籍出向者が休業したからといって、出向元が助成金を支給できるのかといった疑問があったため、京都労働局に問い合わせたところ、当該在籍出向者の出向元、出向先の負担割合についての要件があるかどうかなどについては、現在、厚生労働省からの回答待ちとのことです(平成21年6月19日現在)。情報が入り次第、UPいたします。

(3)障害のある人に係る助成率の引き上げ


障害のある人の休業等および出向について、助成率が引き上げられました。助成率は以下の通りです。

  • ◆雇用調整助成金 2/3 → 3/4
  • ◆中小企業緊急雇用安定助成金 4/5 → 9/10


(4)1年間の支給限度日数の緩和


これまで、1年間の支給限度日数は200日でしたが、これが撤廃されました。なお、3年間の支給限度日数は現行どおり300日です。

(5)計画届の変更の際の手続きの簡素化


助成金にかかる計画届の変更手続きを、『休業等協定の変更を伴わない場合』に限り、郵送、FAX、電子メール等により行うことが可能となりました。

なお、この『休業等協定の変更を伴わない場合』とは、休業する日程は変わらず、その同じ日程中で、休業する労働者が入れ替わるような場合だということです。休業日自体が増える場合は、休業協定書の内容を変更することになりますので、これに該当しません。

また、京都労働局に問い合わせたところ、「FAXやメールだと届いたかどうかが不明であるためできる限り郵送が望ましいし、到着したかどうかの確認の電話もして頂いた方が確実だと思います」と、助成金のご担当者は話しておられました。


これら6月8日からの新しい変更点を含めた、雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の最近の見直し点については、下記のリーフレットで見ることができます。