人事労務担当者のための労務相談Q&A



▼勤務時間の短縮等の措置

Q1: 育児のための勤務時間短縮等の措置とはどのようなものですか?

Q2: 介護のための勤務時間の短縮等の措置とはどのようなものですか?

 

Q1: 育児のための勤務時間短縮等の措置とはどのようなものですか?

A1: 働きながら育児をすることを容易にするため、事業主は、3歳未満の子を養育する労働者について、次のいずれかの措置を講じなければならないとする制度です。なお、適用対象となるのは、育児休業・介護休業、時間外労働・深夜の制限と違い、有期雇用者やパートなどを含む全労働者です。

  • (1) 短時間勤務制度
  • (2) フレックスタイム制
  • (3) 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
  • (4) 所定外労働をさせない制度
  • (5) 託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

※1歳から3歳までの子を養育する労働者に対しては、これら(1)〜(5)のいずずれか又は育児休業に準ずる措置(法定の1歳までの育児休業と同様、育児のための休業のこと)を講じる必要があります。

なお、1歳(1歳6か月まで育児休業ができる場合にあっては、1歳6か月)以上の子を養育する労働者については、これらの措置の代わりに育児休業の制度に準ずる措置を講ずることでも差し支えありません。
3歳から小学校に入学するまでの子を育てる労働者について上記の勤務時間の短縮等の措置を講ずることが、事業主の努力義務として求められています。

 

Q2: 介護のための勤務時間の短縮等の措置とはどのようなものですか?

A2: 働きながら要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするため、事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について、次のいずれかの措置を講じなければならないとする制度です。育児のための勤務時間短縮等の措置と違い、所定外労働をさせない制度は講じなければならない措置の選択肢に入っていませんのでご注意下さい。

  • (1) 短時間勤務制度
  • (2) フレックスタイム制
  • (3) 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
  • (4) 労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度

なお、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算93日までの間で労働者が申し出た期間、措置が受けられます。介護のための勤務時間の短縮等の措置が受けられる日数は、介護休業と通算して93日までとなります。要介護状態から回復した家族が、再び要介護状態に至った場合には、この範囲で再度措置が受けられます。