A1: 3歳未満の子を養育する被保険者が育児休業等を終了し、職場復帰に、育児・介護休業法の勤務時間短縮等の措置を利用する場合がありますが、多くの企業では、短縮した分を時間換算して減給しているため、従前の給与額より低下することになります。
従来、育児休業の終了時については、標準報酬月額の基礎となる報酬月額が2等級以上変動しない限り標準報酬月額の改定は行われませんでした。よって、標準報酬月額の改定がなされず、従前の高いままの標準報酬月額が用いられている場合がありました。
平成17年4月より、報酬月額が2等級以上の変動とならない場合でも、育児休業等終了日において3歳未満の子を養育している被保険者が、事業主を経由して保険者に申出をすることにより、標準報酬月額の改定ができるようになりました。
育児休業等終了日の翌日が属する月以後3ヶ月間(育児休業等終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限り、かつ報酬支払基礎日数が17日未満の月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額を、その期間の月数で除して得た額を報酬月額とします。これは、平成17年4月1日以後終了した育児休業等について適用されます。
育児休業等終了時改定の要件に該当したときは、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月から標準報酬月額が改定されます。
育児休業等終了後の標準報酬月額の改定 |
▼育児休業終了▼ |
|
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
報酬支払い
基礎日額 |
17日
以上 |
17日
以上 |
17日
以上 |
→改定 |
例えば4月の報酬支払い基礎日数が17日未満の場合は、5・6月の2ヶ月で改定します。
新しい標準報酬月額は、1月から6月までの間に育児休業等終了時改定をされる場合は、その年の8月までの標準報酬月額とされ、7月から12月までの間の育児休業等終了時改定をされる場合は、翌年の8月までの標準報酬月額とされます。
ただし、上記期間内に随時改定または育児休業等終了時改定が行われるときは、その改定月の前月までとなります。
被保険者の申出に基づき、事業主は「健康保険・厚生年金 育児休業等終了時報酬月額変更届」を、育児休業等終了の翌日が属する月以後3カ月経過後、速やかに事業所の管轄社会保険事務所に届け出る必要があります。 |