人事労務担当者のための労務相談Q&A



▼採用について

Q1: 急な業務量の増大により、すぐに働ける人が必要であったので、「一週間以内から働ける人」という条件で求人を行い、1名を採用しました。ところが採用を決定した後になって、「実はすぐには働けない」と言われました。この人に何か損害の賠償を請求することはできますか?

Q2: 高校生アルバイトを採用したいと考えています。採用時に注意しておかなければならないことはありますか?

 

Q1: 急な業務量の増大により、すぐに働ける人が必要であったので、「一週間以内から働ける人」という条件で求人を行い、1名を採用しました。ところが採用を決定した後になって、「実はすぐには働けない」と言われました。この人に何か損害の賠償を請求することはできますか?

A1: 一旦労働契約を締結すれば、雇用者には賃金の支払義務が発生する一方、労働者には労務の提供義務が発生します。労働者が当初の契約の前提となっていた労務を正当な理由無く拒む場合には、労働債務の不履行となり、これにより発生した損害を請求できる可能性があります。たとえば当該労働者が労務を提供しなかったことにより事業上発生した逸失利益や、再度の募集が必要になった場合にはその費用などが損害となります。

ただし他の人を雇った場合にその人に支払った賃金については、労務を提供しなかった人に対して賃金を支払わなくても良い以上、差額がない限りは損害となりません。

 

Q2: 高校生アルバイトを採用したいと考えています。採用時に注意しておかなければならないことはありますか?

A2: 高校生のアルバイトを採用する場合など、満18歳未満の方を従業員とするときは、年齢確認をしなければなりません。満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでは、原則、労働者として働かせてはいけないことになっているので、働くことのできる年齢であるかどうかの確認が必要です(実は中学生であるのに、高校生と偽っている可能性もあります)。

この場合の年齢証明書は、戸籍謄本、戸籍抄本、年少者の姓名および生年月日を記載して本籍地を管轄する地方自治体の長の証明したものや氏名および出生の年月日についての証明がなされている住民票記載事項の証明書となります。このような書面により年齢を確認したうえで、働いてもらうようにしましょう。